桃色のうさぎ

大丈夫な日の私だけをみつめてよ

嵐の活動休止に想うこと

※ガチオタだったのは2009年~2010年のみ、それ以降はお茶の間ファンの戯言です


引越しも終わってひと段落つき、さて焼肉パーティを始めるかという矢先に飛び込んできたのは衝撃的なニュースだった。嵐、2020年を以って活動休止。ニュースの字幕がうまく頭に入ってこなかった。年代ということもあるかもしれないけど、SMAP解散のときよりも驚いた。ファンクラブ会員数は増え続けるばかりで、相変わらずコンサートのチケットは全然当たらなくて、テレビで見ない日はない、そんなグループが活動休止するなんて、これっぽっちも考えていなかった。


二次元にしか興味がなかったはずの中学時代のわたしが突然嵐にはまったのは、たまたま音楽番組で観たtruthがめちゃくちゃかっこよかったからだった。それまでジャニーズというものはクラスのカースト上位の女子が好きなコンテンツ、としか考えていなかったわたしにとって、まさに青天の霹靂だった。どちらかといえば母親の方がジャニーズに詳しくて(それは今でも変わっていない)、嵐にはまりかけているわたしに色々な音楽番組のtruthを見せてくれた。気付けば過去のCDをレンタルしていた。
年頃の中学生に2008年~2009年の嵐を見せたら、はまらない人なんてほぼいなかったんじゃないのかと思う。カーストなんて関係なく、クラスの女子はほとんど嵐に熱狂していた。背中を押すように、2009年にはベストアルバムが発売された。ドル誌だけではなく、メンバーが表紙になっているテレビ雑誌を買ったり、DVDを集めたり、お小遣いは全て嵐に投資していた。DVDを見ながら一人感動して泣いているわたしを見かねて、コンサートに行かせてあげたいと、母親は嵐のファンクラブに入会させてくれた。どうやら世の中にはジャニーズを良く思わない親も多いらしく、今思えば本当に有難い。
しかし熱狂的だったわたしの嵐熱は2010年半ばに冷め、「お茶の間ファン」に転身することとなる。高校に入学し、初めての彼氏ができたタイミングだった。とにかく盲目的だった当時のわたしは、嵐そっちのけで彼氏しか見えなくなってしまった。せっかく入れてくれたファンクラブも、コンサートに行かないまま期限切れで退会することとなった。
もし当時に戻ることができるなら、その後半年で別れることになる彼氏なんかに夢中になるより、そのまま嵐ファンを続けていたかった。ジャニーズカウントダウン8時だJでジャニーズ熱が再燃し始め、つい先週入手したアラフェス2012のDVDを見ながら、ひどく後悔していた矢先の、活動休止の報せだった。


活動休止は大野くん提案と聞いて、やっぱりな、と思った。
わたしは大野くん寄りの箱推しだ。あんなに歌声もダンスもかっこいいのに、バラエティではなんだか抜けているというギャップと、それを温かく見守っている他のメンバー達という関係性が大好きだった。
嵐の信憑性のある不仲説は聞いたことがなかったし、ソロ活動が目立つようになったわけでもなく、5人のバラエティ番組では相変わらずわちゃわちゃしている、そんな彼らがなんの前触れもなく活動休止だなんて、よほどのことだと思った。不祥事でもないのに、彼らがそんなことをするはずがないからこそ、きっとトリガーとなったのは大野くんだ、報道を見た瞬間にそう思った。


今まで突然活動休止や解散を発表したグループをいくつも見てきて、いずれも休止や解散前のメンバーの雰囲気は険悪だった。どちらかというと活動休止自体よりも、あんなに仲の良かった嵐が険悪になってしまっているのではないかと、そっちの方が心配だった。
けれどそんなのは杞憂だったと、記者からのしつこい質問責めに困っている大野くんをすかさずフォローするメンバーを見て安心した。
もし、大野くんを責めるファンがいたとしたら(実際に見たわけではないけれど)。「無責任という声もある」という質問に対して、喰い気味で反応した翔くんの「今後の活動を見て無責任かどうか判断してもらえれば」という言葉、ニノの「リーダーが悪者に見えるのであれば我々の力不足」という言葉を聞いて、さすが智くんガチ勢の二人だと思いながらメンバー直々に反論してくれて良かったと思った。たとえ本当に大野くんのことを悪者扱いしているファンがいたとしても、そんなこと言われちゃ何とも言えないだろう。無責任発言をした記者に対しては相当ムカついたけれど、きっと大野くんがそれを気にしていたのだとしたら、このやり取りのおかげで彼の重荷は少し降りたのかもしれない。
もちろん翔くんやニノだけでなく、きちんと冷静に対応する潤くんも、「ひっくり返った」発言で和ませる相葉ちゃんも居てくれてよかった。この5人じゃなかったらこんなに穏やかな会見は見られなかったし、そもそも大野くんは「けじめをつけるつもりで」事務所を退所したと思う。5人で何度も話し合って積み重ねた結果が活動休止なら、むしろ感謝すべきなのかもしれない。
余談だけど、大野くんが返答に困っているときに翔くんが真っ先にマイクを挙げるのに、潤くんに先に口を開かれてしまいマイクを下げる、といったことが何度かあって微笑ましかった。智くんのことになると感情的になる翔くんほんと好き


第一報では打ちひしがれていたファン達も、「会見を見て落ち着いた」と言っていた方が多かったのが印象的だった。もはや会見も嵐のパフォーマンスの一つと言っていた方の意見に賛同した。
活動休止が何年の間なのかわからないし、ずっと存在していると思っていた嵐が見られなくなるのは、まるで自分の身体の一部がなくなったみたいな物足りなさがあるけれど、5人にとって活動休止も「嵐」というドラマの中の一部に過ぎないのだと思う。

大野くんは、抱えた物の多さに潰れそうだったのかもしれない。「普通の生活」を送れないのも、忙しさも他のメンバーだって変わらないけれど、人それぞれキャパは違うから。そんな彼を支えてくれたのは、1999年からずっと手を繋いできたメンバー達だった。もう戻ることはできないけれど、休止まであと2年もあるし、だれかが欠けるわけじゃないんだから、活動再開後のストーリーだって待っている。
再開後、大野くんが完全にリフレッシュできて、嵐としての生活を楽しんでくれるかはわからないけれど、彼らがいる限りきっと大丈夫だろう。「5×10」の歌詞どおり、ずっと5人でいてくれることを信じてる。