桃色のうさぎ

大丈夫な日の私だけをみつめてよ

大好きだったあなたへ

よく晴れた日曜の朝、2月から始まったわたしの恋は幕を閉じました。
彼と重大な何かがあったわけではありません。ただ5年間付き合った元彼といろいろな積み重ねがあった末に別れたように、彼から素っ気なくされることが度重なり、あることがきっかけで彼への気持ちがすっと薄れるのを感じました。
「この人のことが大嫌いだ」となる恋の結末のほうがよほど楽で、今回のように「これ以上好きでいたらきっと彼のことを嫌いになってしまうから諦めなければいけない」と気付いてしまう結末は、とても苦しいです。
いっそ彼のことを嫌いになれれば良いのに、彼と過ごした時間や空気や温度、彼がくれた言葉はわたしの身体に染み付き、しばらく取れそうにありません。

 

困ったことに彼とはグループの共通の友人でもあるので、これから会うこともあると思います(生活圏内も一緒だし……)。
どうせ諦めるといっても彼にしばらく憑りつかれるのでしょうから、もしも彼に何らかの変化があったとしたら、また恋が始まってしまうかもしれません。そのときは馬鹿だなあ、と鼻で笑ってください。
「好き」という気持ちは呪いなので、自分では解けないのです。その証拠に、わたしは高校3年生のときに大好きだった男の子のことを今でも思い出すし、その記憶は色褪せないままきらきらとしています。
きっと彼と過ごしたたった三晩のことも、ずっとずっとわたしの中で呪いのように煌めき続けるのでしょう。

もう恋はしない、なんてよく言いますが、本当にそんな気持ちです。
どうやらわたしは他人に過度に期待しすぎてしまうようで、それに応えられないことは仕方がないのに事実を認められず、自分から離れていってしまうことを繰り返しています。
こういった部分が変わるまで、またはなんらかの奇跡が起きてわたしのことを本当に大切にしてくれる人が現れるまで、わたしはひとりで生きていこうと思います。

 

彼に失望をした朝、わんわん泣いて「もう諦めよう」と決意したあと、不思議と心が軽くなるのを感じました。
わたしには好きなものがたくさんあります。音楽、本、たくさんの友達(みんな見守ってくれていて本当にありがたいです)、こうして文章を書くこと。
恥ずかしいことに彼とのことを書いた文章はたくさんありますが、こんなこともあったね、と笑いながら読める日がいつか来ると信じて、わたしの記憶ではなくこの電子の海に大切にしまっておこうと思います。

 

彼のことはほんとうにだいすきでした。
だいすきだから、これでさよならです。
たった2ヶ月半の恋だったけれど、今までのどの恋よりも幸せでした。
実らなかったことは今は悲しいけれど、夢みたいな時間を過ごせて本当に楽しかったです。ありがとう。